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す。

 

クリサキラ議長:
水の問題を考える場合、女性の役割が重要です。特に、水の問題で直接影響を受けるのは女性なのです。1994年国連の国際人口開発会議と国際人口開発議員会議に参加するためにおよそ10日間ほどナイル川の船上で過ごしたことがあります。その際、ここにいらっしゃったオーストラリアのコリン・ホリス議員と同じ船におりました。会議に向かうため船で会場まで移動したのですが、その途中でナイル川の河畔で女性が洗濯をしていました。
その時、そこで私が強く思ったことがありました。もし、今洗濯している女性に、私が「国際人口・開発国会議員に向かうのですが何か会議に反映させたいことがありますか」と聞いたとしても、きっと「家族計画なんて忘れてください」それよりも「水を引いてください。もし水を引いてくれたら、水汲みの労働から開放され、そうすることでさまざまな対応をとることができます」と言われるだろうと思ったのです。実際に生活している女性にとっては生活の負担を軽減してくれる水まわりの整備が重要で、もし、それが不十分ならば、実際女性の生活にかかわってくる負担は非常に大きなものとなり、家族計画も実行できないようになってしまうのです。
今回「水と健康:公衆衛生の観点から」小川先生とご一緒させていただき感謝いたしております。

 

 

 

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